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beloved 151

店が開く前に、類はマギーに借りた楽譜を元に 鉛筆でバイオリンのコードに合わせてアレンジをして楽譜を直してた。

「カイル、あんた何してんの?あら・・へえ~あんた楽譜が書けるんだ‥凄い。 もしかして、あんた音楽学校に通ったりしてたの?専門知識無かったら こんなアレンジ出来ないよね?」

 「さあ・・?俺、記憶失くしてるから・・分かんないけど・・。 こういうことは嫌いじゃないみたいだ。」

「ふーん。ええ?カイルって記憶喪失だったの?それって大変じゃない。」

「あんた、ちょっと煩い。耳障りな声出さないで・・。」

「あゝごめん。でも両親の事は覚えているんでしょう? 
だからここにいるんだよね?じゃあ何の記憶が無い訳?」

 「・・あゝ。本当の事言えば・・マスターとママは俺の実の親じゃない・・。 俺が記憶を失くしてここに紛れ込んじゃって・・それで親切にしてくれてるだけ。」 

「えっ?でもママとマスターには息子がいるって前から聞いてたんだよ?
あんたが息子じゃ無いなら本物の息子は何処にいるの?」

 「さあ?詳しい事情は俺には分からないけど・・俺に記憶が無いなら思い出すまで ここにいていいと言われたんだ・・・。」 

「・・・そうなの?でも・・カイル・・じゃなかったんだ。じゃあなんて呼べばいいんだろう?」

「別にカイルでいいよ?本当の名前わかんないし。それにマスターやママが心配する・・。だからこのことは内緒にしておいて。」

「そうか、でもあんたはそれでいいの? 病院に行けば記憶喪失って治して貰えるんじゃないの?それにあんたには、あんたの事を待ってる人がいるかも知れないんでしょう?」  

「待ってる人?・・・うーんどうかな?それなら捜しに来てると思うけど・・。」 

 「だって、何処かで居なくなったなら捜索願いが出てるかもよ? 警察に行って見ればいいんじゃない?」 

「自分の名前も分からないのに?警察行ってなんて説明するの?」  

「それは・・。うーん記憶が無いけど誰か俺に似てる人の捜索願い出てませんか?って 聞くのはどうかな?」

 「くすっ、マギーそれで警察が相手してくれると本気で思う?」  

「・・やってみないと分からないじゃない?・・あんたが居なくなって心配してる 恋人とか・・家族とか・・もしかして奥さんや子供がいるかもよ?」

 「恋人?子供?…俺に?うーん想像が付かないや・・・。結婚してたら
指輪してるだろうし?」 

類の指をずっと覗き込むマギー。
気付けば類がマギーをじっと見つめていた類の吸い込まれそうな瞳に
マギーは思わず顔を赤くする。

「そりゃそうかも知れないけど・・でも実際にそうだとしたら・・ 今頃は家族は心配で泣いてるかもよ?」

「・・・。心配で泣いてる?・・・本当にそんな人が俺にいるのかな?」

「いない・・訳ないじゃない・・そんなにカッコいいんだもん・・。」

「えっ?」

「ううん・・なんでもない。」

「あのさ、ママ達には心配させたくないから・・このことは・・。」

「うん、大丈夫黙ってるよ。」

丁度その時厨房の方から声がした。

 「カイル、マギー。店を開ける前にご飯にしょう。マスターが ご自慢の魚介のトマト煮込みを作ってくれたよ。」 

「ハーイ。トマトの凄くいい匂いだね・・ふふっ最高だね。」

「マギーは食いしん坊だから多めに作ったみたいだよ?」  

「マスターありがとう。ママもありがとう。」  

「あゝ、マギーいいから早く席に着け。カイルもだ。」  

「カイル、どうかしたのかい?」 

「ううん・・ママなんでもない。本当に美味しそうだね?」

「さあ、二人共たーんと召し上がれ?」 

 「いただきます~。」 


 その頃つくしは・・。 


「類様・・・どこにいるの?もうすぐ子供が生まれるのに・・。 ねぇ‥類様・・死んでなんかいないよね?私と子供を置いて行かないよね?

もしも死んだなら、きっと幽霊になってでも逢いに来てくれる筈だもの。
きっと夢枕に立って、教えてくれるよね?生きてるから何処かで
必ず元気でいるから逢いに来てくれないんだよね?信じてる。
待ってる・・この子を無事に産んで待ってるから・・。
だから必ず戻って来て・・お願い・・類様・・・。」

つくしは空の月と星を眺めながら願った。
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アラサーで何が悪い?166

つくしが、ベッドに座り何かを想い出そうと必死に
頭の中の整理を始める。
その時、施錠してあったドアが突然開いた。

ガチャ。

白衣を着た女性と男性二人が入って来た。
女性は髪を後ろで一つに無造作に縛っており、黒ぶちの眼鏡をしていた。
化粧っけの全くない顔は、少し疲れているのが分かる。
男性の方は女性よりも背は低く、童顔である。
何処かの病院で働く医師や看護師若しくは若い研修医という感じではなく
研究者と言うか、二人共身なりにあまり気を使っていないのが、
一目でわかった。今まで寝ずに研究に没頭してましたと
いうような男性の寝惚け眼の目、それと寝ぐせや髭が伸びてそのままである。

「お目覚めですか?牧野つくしさん、あなたの治療を今日から
担当する医師の加藤です。」

そう女性は、つくしに説明するとつくしにベッドで休むように言う。

「今から診察しますので、ベッドに横になってください。」

「あの・・ここは何処ですか?何故私はここにいるんでしょうか?」

「花沢類さんからの依頼であなたをここに・・あなたの体調についても病気の事も我々は全て分かっています。あなたの治療の為ですので暫く我慢なさってください。
1か月もすれば・・・花沢さんにも逢えますから。それまでは治療を頑張ってくださいね?」

「治療・・でも類からは何も聞いてません。私はそれに・・治療を受けて・・」

「長内先生の診療所は今は危険なんです。ご存知ないかも知れませんが
何者かが長内先生を襲い・・長内先生は意識不明の重体なんです。」

「意識不明の重体?」

「発見された時には、何者かに襲われた後でした・・・。
直ぐに病院に運ばれたのですが・・・頭を強く打っていて今も危険な状態です。恐らくもう医師としては復帰は無理だと思われます。」

「そんな・・。誰がそんなことを?」

「分かりません、でも長内先生の研究室が荒らされていたそうですから・・。
長内先生の研究資料が原因かも知れませんね?
兎に角今はご自分の事だけを考えましょう?早く治療してあなたもここから出たいでしょう?」

「加藤先生、準備が出来ました。」

「近藤君ありがとう、では彼女にそれを注射してして頂戴?」

「はい。それでは牧野さん注射しますので・・。腕を出してください。」

「待ってください、それは・・一体何の注射ですか?」

「ご心配なく、ただの睡眠導入剤です。」

「何故そんなものが、私に必要なんですか?」

「あなたの検査を行う為です。
少し眠って頂かないと検査が出来ないんですよ。」

「・・・嫌です。注射何てしないで・・。」

「ふふっ怖くは無いですよ?大丈夫・・直ぐに終わりますよ?」

「嫌・・傍に来ないで・・助けて誰か・・いやぁ~」

「動くと危ないですよ?何処にも逃げられませんよ?
きちんと病気が治ってからでは無いと・・あなたはここからは一生出られません。」

「・・・いやああああっ・・・。」

「近藤君さっさとなさい、グズグズしないで。」

「はい、でも彼女が動くから出来ないんです。」

「もう。。下手くそ・・いいわ貸して、私が打つわ。」

加藤は否応なしに、つくしの腕に消毒もしないで注射針を突き刺し
一気に薬剤を注ぎ込む。つくしの白い細い腕に薬剤が取り込まれていく。

「うっ・・いやあああっ・・やめて・・・」

「大人しくなさい?逃げられはしないのだから・・。」

暫くするとつくしはその場にぐったりと倒れ込む。

「近藤君ストレッチャーに乗せて、彼女を運んで頂戴?」

「はい、加藤先生畏まりました。」

つくしが、運ばれた部屋に眠らされたあの近藤がいた。
青白く、随分と弱っているようだ。

「・・これで研究の治験者が揃いましたね?」

「ええ・・やっとね。」


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アラサーで何が悪い?165

つくしは目覚めて直ぐに部屋を見渡した、その部屋は何処までも白一色で窓枠も壁も天井も
床まで全てが白。多分5畳ほどであろう部屋の中央につくしが今寝かされていた簡易ベッドがあり
その傍にカーテンで仕切られて簡易トイレが置いてあった。手を洗う為の水道はあるが鏡は無い。
窓には頑丈そうな鉄の柵があり、出入り口であろうドアの上の方に覗き穴があるが
こちらからは外が見えない作りになっている。勿論鍵がしっかり掛かっていて
ドアノブを何度か試しに回したが開くことは無い。
完全に自分が何者かに、ここに拉致されて連れて来られた事が分かった。

自分がどうしてここにいるのか分からないつくし。
想い出そうと考えると頭が割れるように痛む。


「どうして?・・ここに私はいるんだろう?」

つくしの記憶の中には、もうあの別荘で何が起こったのかさえ全て消えていた。
ただ、類の事だけは覚えている。
類の記憶だけは忘れてはいなかった・・・。

同じ頃・・・。

別荘に戻った類はつくしが居ない事に気付き
はな枝に事情を聞いていた。

「牧野が部屋に居ないけど、どうして?」

「それが・・、昼過ぎにケーキを持って乃利子さんが来たんです。
乃利子さんが帰ってから、つくしさんが居ない事に気付いて・・。」

「加藤乃利子・・今日は休みだった筈でしょう?」

「それが、なんでも人気のケーキを並んで買って来たから、
是非皆さんで召し上がって欲しいと言われまして
私共もそれを頂いてお茶をしてまして・・。
でもつくし様がこの玄関を出たのは誰も見ておりません。
ですから邸の何処かにいらっしゃるのだと捜しておりました。」

「直ぐに、防犯カメラを確認させて・・ここじゃないなら裏口・・勝手口だ・・。」

防犯カメラに写ってるのは、クリーニング店のワゴン車と
 帽子を被った2人の男、それを運んできた女性の顔は生憎分からない。
しかし、牧野を連れだした犯人はこのクリーニング店の格好をした2人の
男性と加藤乃利子に間違いは無いと思われた。


アラサーで何が悪い?164

類は長内の山荘に着いた時に嫌な胸騒ぎがした。
 先程停まっていた車は1台も居なくなっていた。

 「ここで待っていて。」 

 「類様、お一人では危険です。」

「大丈夫だよ、車は無いから・・。多分変な奴は残っちゃいないさ・・。」  

山荘の鍵は開いていた。しかし一歩中に入ると誰も居ないのか不気味なほど静かだ。

 「長内先生?先生居ないんですか?」

 返事は無い・・。2階に上がると近藤の居た部屋には誰も居なかった。 他の部屋も覗いて見たが誰も居ない。 SPからの報告では数名の人間がここに入って行き 1時間もしない内に、段ボール箱を数箱運び出したと聞いた。 近藤らしき人間も、長内先生も連れ出されていない。 昨日の内に逃げていればいいがと類は思っていた・・・。 類は1階に下りると、診察室も覗いて見た。診察室の棚にあったファイル類が全て 無くなっている、その奥の長内先生の私室に入ると 床に血が流れていた。 その横に転がっているのは、花瓶・・。花が活けてあったのかユリやカーネーションなどの 花が床に水と一緒にばら撒かれ、花瓶の水が血の色に染まっている。 何かを引きずったような血の跡・・。花瓶で頭を殴られたのであろう。 その先のバスルームまで血痕は続いている。

 「嘘だろう・・まさか・・。」 

類はバスルームの扉を開けた、浴槽に横たわる長内の姿がそこにあった。

「長内・・先生・・・。」 


 同じ頃、花沢の別荘。

部屋にいたつくしは、ずっと長内医師の山荘に一人で出掛けた類の事を考えていた。

 コンコン・・。 

 「はい。」 

 「つくしさん、ケーキを買って来たんですけど一緒に如何ですか?」  

えっ?この声は・・はな枝さんじゃない?・・?

 ドアが開き部屋に入って来たのは、驚く事に加藤乃利子だった。

 「えっ?乃利子さん・・今日はお休みじゃ無かったんですか?」

 「・・・ええ、用事があってデパートのある駅まで行って来て今人気のケーキ買って来たんです。 はな枝さん達も休憩で召し上がって貰ってます。つくしさんもどうぞ?」

 「・・あの・・乃利子さん今日、山荘に・・山荘の前に居ましたよね?」 

「山荘?何処の山荘ですか?」 

 「長内先生のです。」

 「長内先生の処へは行ってませんよ?今日は先生に来いと言われて無かったので。
長内先生がどうかしたんですか?」 

「私・・似た人を見たんです。乃利子さんに似た人・・。黒いパンツスーツ着てました。」 

「ええ?私に似た人?黒いパンツスーツ?・・・私黒い服は嫌いだから持ってないんです。 あゝ喪服くらいなら持ってますけど?でもワンピースのアンサンブルですけど?」 

「でも、確かに乃利子さんだった・・。」

 「変ですね?でも世の中には3人は自分にそっくりな人間がいるらしいですからね? 私のそっくりさんか・・・。私も見てみたかったな・・。 でも、それは私じゃないですね?このケーキ2時間並ばなきゃ買えないんですよ? 人気の限定品なんです。往復の時間考えても私が今日長内先生の山荘に行くのは無理でしょう?」 

 「・・・そうですか?」

「それより、ここのケーキ本当に美味しいです。ねぇ食べてみてくださいよ?」 

明るくそう乃利子に言われると断る事は出来ない。

「ええ・・それじゃぁ‥頂きます。・・ごくっ・・本当に・・美味しいですね?
ゲホッ・・」

「慌てないで、つくしさんアイスティーを飲んで。」

つくしは、何故か乃利子と早く離れたくてケーキを急いで食べたもので喉を詰まらせて咽た。
今度は慌ててアイスティーを口にする。
ごくごくとアイスティーを飲み干すつくしを乃利子は満足そうに見ていた。

「ふふっ、大丈夫ですか?慌てなくて大丈夫ですよ?ケーキに苦みが少しあるのは、煎った豆を砕いて入れてあるそうです。」

 「煎った豆?」

「ええ、煎った珈琲豆・・・。」 

 「これ・・珈琲豆何ですか?」 

 「ええ、大人の味でしょう?」 

 「珈琲豆・・・。あっ・・・。」

 ガチャッン・・・。 

 「あら、大丈夫ですか?つくしさん危ないですよ?」 

 「・・あゝ頭が・・・・つ・・」 

 「つくしさん?・・大丈夫ですか?つくしさん?」

乃利子は倒れたつくしをベッドに寝かせた後に何処かに電話を掛けている。  

「今被験者を眠らせました・・ええ直ぐに裏口に車をお願いします。 ええ、花沢類が戻る前に・・ええ宜しく。」  

乃利子はつくしの部屋にキャスター付きのランドリーバスケットを運び入れその中につくしを 隠すように入れると、上からシーツを掛ける。 エレベーターで1階に下りると、勝手口に横付けされたクリーニング店の ワゴン車が停まっていた。男が2人降りてきて 荷台にそのまま、つくしの入ったランドリーバスケットを乗せた。 車はそのまま、類の別荘を離れたのである。





アラサーで何が悪い?163

別荘につくしは、戻って来て一番にある人物を捜した。
 しかし、彼女は別荘に居なかった。 

 「はな枝さん、あの今日は乃利子さんは?」 

「乃利子さんに何か用がおありですか? 今日は用事があるからと生憎お休みなんですよ?」

 「お休み?・・・あの、はな枝さん乃利子さんは花沢家でずっと働いてる方ですか?」  

「・・・いいえ、それが・・・。乃利子さんは類様が連れて来られた方なので 
私は詳しくは聞いておりません・・・。」 

 「類が?・・・。」 

 「はい左様ですが、あの乃利子さんが何か?」

 「・・・見間違いじゃないと思うけどさっき、長内先生の山荘の前で乃利子さんらしき人を見たの、 でもいつもと雰囲気が何だか違って・・黒っぽいスーツを着ていて知らない男性2人が 傍に居たの。変ですよね?乃利子さんがあんな山の中の山荘にいる訳無いですよね?」

 「・・・・。」 

 「牧野、今の話は本当なの?」 

 「類・・。今の・・聞いてたの?」

 「悪い、聞こえたんだ・・・。」  

「//ええ、多分乃利子さんに間違い無いと思う・・でも自信がある訳じゃないのよ。 いつもの服装じゃ無かったし・・・、それに、 乃利子さんは一人じゃ無かったの、見知らぬ男の人達といたの。」

 「加藤乃利子さんは、実は長内先生の部下の精神科医なんだ。 牧野には花沢のメイドのように紹介したけど、・・・。」 

 「えっ?精神科医?・・・それってもしかして私の為に?」  

「山荘までは車で山道を登らないと、長内先生は居ないから・・。 牧野に急に何かあった場合にと
彼女にはメイドとしてここにいて貰ったんだ。メイドって事にしておけば、牧野が気にしないだろうと考えての事だったんだ・・。嘘ついてごめん。」

「そうだったの?気を使わせて私の方こそごめんね?やっぱりあれは乃利子さんなんだね?
でも今日は用事があって、あの山荘前に居たという事は ・・・やはり長内先生に何かあったって事なの?乃利子さんと一緒に居た男の人達は誰なんだろう?」  

「・・長内先生にも、山荘にも電話が通じない・・・。 もう一度俺は様子を見て来るから、牧野はここにいてくれる?」 

「でも‥大丈夫なの?危険じゃ無いの?長内先生・・命を奪われるような事は無いと思うけど・・。 でも何が起きるか分からないんでしょう?」 

「俺はSPと一緒だから心配は要らないよ。はな枝、牧野を頼むよ。」

 「はい、お任せください類様。」

「類、気を付けてね?」

「うん・・。」


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