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ビスクドール31

類の部屋

キングサイズのベッドと壁掛け式の大型テレビ
備え付きのクローゼットとお洒落な冷蔵庫。
それだけしか置いてない部屋に、
アンティークのキャビネットを置く。
そこにあのビスクドールを飾った。

「まあ、素敵。このお人形替えのドレスや靴まで揃っているんですね?
綺麗なネックレス本物かしら?」

「ええ、皆本物です。ですから取り扱いには十分注意してください。」

「はな枝さん、でもこのお人形は本物では無いのでしょう?
何だか似合わないようでお人形が可哀想・・。」

「お喋りはそこまで。後は私がしますからあなた達は
下がっていいわ。」

「はい。」

はな枝は、先ず人形の小物を並べ始めた。
ミニハンガーにドレスを掛け、その下に靴を並べ
ボックスにアクセサリーを並べ
ボネや小物類を並べた。小さなテディベアやビスクドール用の
抱き人形まで綺麗にディスプレーした。
そして、人形スタンドに人形を立てると
丁寧にキャビネットの真ん中に置いた。
まるで、キャビネット全体がビスクドールのための
お部屋のようである。
レースのハンカチを畳んで、ビスクドールの座る
場所を作る。
はな枝は、ビスクドールの乱れた髪の毛を手櫛で整えてやり
顔を優しく優しく丁寧に布で拭く。
それが終わると、人形スタンドから外して
レースのハンカチの上に座らせた。


嬉しい。はな枝さん、ありがとう。
顔まで綺麗にしてくれて・・。
顔も髪も気にしてはいたけど、自分じゃ出来なくて・・。
助かりました、本当にありがとう。
それに、なんて綺麗なレースのハンカチ。
4つ折りにしてあるから、楽だわ。
ここに座っていいの?何だかお姫様の気分だよ。

さあ、これでいいかしら?
綺麗になったわ。

類様はどうして急にビスクドールを飾るなどと
おっしゃってたのかしら?
本当に見れば見るほど牧野様にそっくりで可愛らしいビスクドールだわ。
偽物だなんて可哀想に。
だから、きっと類様は・・

牧野様は類様のご友人である、道明寺司様と付き合ってらしていて
それで、牧野様とも親しくされている。

でも、類様も牧野様をお好きな事は、私にも分かる。
類様は普段から女性にはお優しくはない。
ここにも、牧野様以外の女性のお友達が遊びに来られた事は
あったが、必要以上に喋らないし声さえ掛けたりしない。
そう、藤堂静様と道明寺椿様くらいだった。
静様を、昔はお好きだった類様。
でも、その恋は初恋・・憧れの様なものだったようで
静様をフランスに追いかけて行って戻って来た時に
本当は自分が誰を好きなのか気付いてしまわれた類様。

でも、時すでに遅しで牧野様と司様がお付き合いされる事になり
類様は牧野様を見守る方に回られた。


でも、今も尚牧野様を好きな事を私は知っています。
牧野様だけに見せる優しさと笑顔をみれば・・わかります。


何故か、はな枝さんが心で思う言葉が耳に聞こえる。
ビスクドールになってから、人間の心の声が聞こえる。



花沢類が…私を好き?

まさか?

そんな訳ないですよ?はな枝さんったら・・。

あははっ、そんな・・。まさか、ねぇ?

こんな私を好きだなんて・・・。

あり得ないつぅーのぉ~~。

でも、もしも本当なら嬉しいな。



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ビスクドール30

花沢邸  類の部屋

はな枝は納戸からアンティークのキャビネットを
2人のメイドに運ばせた。
綺麗に埃を払い、綺麗に磨きを掛けて類の部屋の中に運んだ。
それをじっと見ているのは・・。

「牧野様如何されました?」

「類の部屋で何をしてるんです?それどうするんですか?」

「あゝこれでございますか?類様がお部屋にビスクドールを飾るとおっしゃるので
アンティークのキャビネットを納戸から出して来たのですよ?
このお人形を飾るのに丁度良い大きさでございましょう?
綺麗にしたので、今から類様のお部屋へ飾る所です。」

「そのビスクドールを?」

「ええ、類様がなんだか気入られて様で・・。
わざわざ自分からお部屋に飾るとおっしゃったんですよ。」



何故・・私ではなく彼女を選ぶの?
彼女は今はビスクドールじゃない!
長い間、あなたは私を忘れて私の事を探してもくれなかった。
ルイ、ルイ・・。
それは、ただのビスクドールなのよ?
あなたは、私ではなく彼女をそれでも選ぶというの?

「本当に可愛らしいお人形ですよね?
偽物だなんてね?可哀想ですけど、類様がこうして
お部屋で愛でてくださるなら・・本当に良かったわ。
奥様は納戸に仕舞う様におっしゃったのですけどね?
類様がビスクドールに興味を持たれるなんて不思議ですけど。」

「そうかしら?所詮人形は人形でしかないわ。」

「牧野様?」

私だって昔は沢山の人々に可愛がられたわ。
皆の見える場所でいつだって笑って居られた。
あの日、箱に仕舞われて暗い場所に閉じ込められるまでは・・。
皆の声が聞こえなくて、暗くて寂しくて・・。
長い間辛い時間を過ごしたわ。

人間になりたかった、人間になりたかった・・。
やっと私に、自由が持てたというのに・・。
それなのに・・何故なの?



「牧野様?どうかされましたか?」

「いいえ、私もお手伝いします。」

「まあそんなこと宜しいのですよ、これは私達の仕事ですから。
それに、手は十分足りております。
牧野様は類様とお茶でもお飲みになられてください。
類様はテラスで本をお読みになられてますよ。」

「・・・。」

「牧野様を類様のいらっしゃる場所に案内して差し上げてください。」

はな枝は若いメイドに指示を出す。

「はい。牧野様、類様はこちらでございます。」

「そう、ありがとう。」


納戸に仕舞ってしまえばいいのに。
私を見捨てた時の様に・・そして何年もこのまま忘れたらいいのに。
私の時と同じようにすればいいのに。
何故ルイはそうしなかったの?


はな枝の言った通り類はテラスの椅子で本を読んでいる。

「牧野様あちらでございます、類様にお声をお掛けしましょうか?」

「後はいいわ。」

若いメイドは頭を下げて下がって行った。

「ルイ、何故ビスクドールを納戸に仕舞わなかったの?」

「牧野?」

「ルイのお母様は納戸に仕舞う様におっしゃったんでしょう?」

「牧野はなんで、あの人形の事をそんなに気にするの?」

「・・・それは・・。」

「前も言ったけど、牧野には関係ないんじゃない?」

「それはそうだけど。」

「そんな事より、そろそろ一度家に帰った方が良くない?
もう、司の事吹っ切れたならさ。あんたバイト休んでばかり居られないでしょう?」

「えっ・・バイト?」

「あんたバイト休んでるんでしょう?あまり休んでると生活できないよ?」

「生活・・。」

「しばらく休んでる内にボケちゃった?
親から生活費貰ってないんだから、あんたにはバイトは必須でしょう?
アパート代とか光熱費とか・・大丈夫なの?」

「・・・・・。」

雑草って貧乏なの?親って親と一緒に暮らしてないの?
まだ大人でも無いのに・・親に見捨てられたの?
そんなに、彼女は不幸なの?

「牧野?」


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ビスクドール29

あきらと総二郎が選んだ店は
昔からの馴染みの店で、特にここの個室は防音
システムとオートロックシステムが付いていて
店の者でも、客の承諾が無ければ勝手に出入り出来ない。
店の者が2人分の酒とつまみを運んだ来たら、静かに出ていく。
あきらは何時もの様に、上着のポケットから小型のマイク型の装置で
部屋の中を調べた後、装置が反応しないことを確かめて
装置をポケットに仕舞う。

「先ずは乾杯だな?」

「相変わらず疑い深い奴だな?盗聴器なんて誰も仕掛ける訳ないのに?」

「総二郎は甘いな、馴染みの店程・・危ないんだぜ?」

「そういうものか?」

「俺の処もだけど、司や類の処は自社の社員さえ信用できないって
言ってる…最近は平気で会社を裏切る人間が増えてるからな。」

「まあ、念には念を入れて‥気を抜かない方が安全なのかも
知れないが、遊びの店にまでって疲れてしまうじゃないか?」

「まあ、それより総二郎はどうして中島エンタープライズの秘書なんかと
ホテルに居たんだよ?」

「あゝ、俺の生徒の中に倉田ってご婦人が居てその人の
お嬢さんが中島エンタープライズの秘書課に勤めてるって
聞いて紹介して貰ったんだが、倉田さんのお嬢さんも
まあ可愛い子だったけど、社長秘書って子がまた凄く綺麗な子でさ・・
野島藍って言う子で23歳でスタイルいいし、俺好みだった。
俺のファンだって言うから食事に誘ったら
その日の内にホテルに行く関係になったって訳だ。」

「流石、総二郎だな。それで何が聞けたんだ?」

「藍ちゃんが言うのは、会長は妻と娘の海を溺愛してるらしい。
海の我儘の為に、どれだけ金を使ってるか分からないらしい。
それと、社内では司と海は近いうちに婚約するという
噂があるらしい・・・それも半年も前からな。」

「半年って・・。司は牧野と・・。」

「おかしな話だろう?だが、司も一度だけ中島エンタープライズの
本社に来た事があるらしい、その時海も一緒に居たんだとさ・・
道明寺司といえば、有名だし目立つからな?
だから、この噂は本当だって社内では有名だってさ。」

「それじゃあ、やはり前から司は中島海を知ってたって事か?」

「あゝ‥何か事情があるにしても‥中島海と司が男女の仲って事は
俺達もこの目で見てるしな?」

「・・あんなに司が好きだと牧野を追い掛け回してたのは
一体何だったんだ?」

「そうだよな、類とも喧嘩までして、奪い合ったのに。」

「牧野の事遊びだったんなら許せないな。」

「あゝ‥皆がどれ程二人の為に頑張ったか・・。」

「それで、司はNYへは中島海と行くんだろう?」

「あゝ、牧野に謝れって言ったのが中島海ってことも
俺としてはどうしても納得が行かない。司は海に言われて
牧野に謝罪するって言ったんだ。それじゃ牧野の立場がないだろう?」

「あゝ、それ本当か?それじゃ、あまりにも牧野が可哀想過ぎるだろう。」

「類には司の事話したが、それを聞いた牧野がどうするかだな。」

「牧野に任せるしかないが・・」

「だが、決めるのは牧野だ。」

「牧野は来るだろうか?」

「辛い立場なら、牧野は来ない方がいいな。」






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ビスクドール28

総二郎の番号に電話を掛ける。

3回コールした後に繋がった。

「はい、あきら?何か分かったのか?」

「んっ?総二郎声が掠れてるな?」

「あゝ、さっきまで女と一緒だったからな?」

「また、新しい女か?」

「まあ、そんなとこ。で、何か出てきたか?」

「中島エンタープライズの現社長は27歳で
中島尊、中島海とは腹違いの兄妹だ。
会長が中島一久で父親。
副社長は妻の薫
ちなみに、海は薫の連れ子で一久とは血は繋がってない。
だが、兄の尊と父親の一久は海を溺愛している。」

「ふーん、連れ子同士ねぇ・・・。」

「会社は息子が引き継いでからは凄い伸びを見せてる・・
港区の芝に自社ビルを建てたのが丁度1年前だ。
そして、司と海はその自社ビルお披露目のパーティーで知り合いになった。」

「1年前か・・。」

「道明寺との付き合いは2年前からで、中島エンタープライズの自社ビルを
手掛けたのは、道明寺の建設業だ。
それで、そのパーティーに司と司の母親が招待された。
司がそのパーティーで海のドレスを汚して代わりのドレスをプレゼントしたらしい。
それが2人の出会いだ。」

「ドレスを汚した?」

「あゝ司がワインを零したらしい・・。」

「じゃあ、あの日初めて会った訳じゃなかったんだな?」

「あゝ・・」

「俺の情報とは少し違うが・・・1年前にって言うのは間違いないみたいだな。」

「総二郎も何か掴んだのか?」

「さっきまで、一緒に居た女・・中島エンタープライズの
社長秘書だぜ?」

「お前、いつの間に・・相変わらず手が早いな。」

「あきらに言われたくないけどな?」

「ははっ、じゃあ総二郎が掴んだ情報を教えてくれ。」

「あゝ・・後で何処かで逢おうぜ。」

「いいけど、お前今何処だよ?」

「そりゃあ、ホテルに決まってるだろう?
1時間後にいつもの赤坂の店でいいか?」

「了解、じゃあな。」

赤坂のクラブにあきらが先に着いた

いつもの個室に案内されて、いつもの酒を頼むあきら
5分もしないで、総二郎がやってきた。



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ビスクドール27

美作邸

あきらの元に中島エンタープライズの詳しい資料と
中島家についての詳細な資料が届いた。

「若、遅くなり申し訳ありません。」

「あゝ急がせて悪かったな?矢代、それで何か分かったのか?」

「この3年で随分業績を伸ばしてる会社のようです。
企業や団体の社内デジタル化システム開発が主なる業務です。
本社は港区芝・・・そこに自社ビルを建てたのが
社長は中島尊27歳、中島海の兄です。
尊は独身、3年前に父親から社長に代わってから
業績が桁違いに伸びてます。
会長が中島一久60歳 副社長が妻の薫41歳」

「変じゃないか?会長の妻が41歳だって息子の歳が合わない?」

「今の一久氏の妻は後妻です、長男尊氏の母親は病死しています。
海さんの、母である薫さんと結婚したのは海さんが1歳の時で
海さんの父親は一久氏ではありません。」

「連れ子って事か?」

「ですが・・噂によると一久氏も尊氏も海さんを目の中に入れても
痛くない程の可愛がり様らしいです。」

「血がつながらない家族か・・。それで道明寺との繋がりは?」

「2年前からです、社長が尊氏に代わってから道明寺と業務提供を
始めたようです・・。」

「海はどこの学校だ?」

「それが・・絵夢様芽夢様と同じ学校に・・」

「白梅学園か?」

「はい、幼稚舎から高校まで通われています。」

「それで、司と海はいつ知り合った?」

「はい、1年ほど前にパーティーでーお会いになってます。
自社ビルのお披露目パーティーだそうです。」

「1年前?」

「その時に、司様が中島海さんのドレスをワインを掛けて汚して
プレゼントしたと報告されています。」

「それは事実か?」

「それについては、今裏を取ってます。」

「司と海は1年前から知り合いだった?
その頃は、もう司は牧野を好きだった筈・・類と喧嘩までしたくらいだ。」

あきらは、早速総二郎にこの事を知らせた。



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