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アラサーで何が悪い?96

翌朝、各紙新聞やテレビのニュースに連続通り魔の犯人が捕まったと報道された。
だが、牧野つくしの名前も近藤の名前も一切出なかった。

病院でつくしは、まだ目を覚まさないで小康状態が続いた。
大学病院の緒方医師は、つくしの飲まされた違法薬やハーブの成分を
調べていた。

そして、それから2週間後のある日、つくしは突然目を覚ましたのである。
 看護師がいつものように、つくしに声を掛ける。

「おはようございます牧野さん。今日はお天気がいいですよ。さあ顔を拭きましょうね?」

いつもは、声を掛けてもなんの反応も無いつくしが、今日は目を開けて
小さく声を発したのだ・・・。

「おみず・・・のみたい・・。」

「牧野さん?気付いたんですか?牧野さん?」

「おみず・・ください・・。」

「お水ですね?今差し上げますから・・・。」

つくしを起き上がらせて吸い口をつくしの口に近づける。
美味しそうにごくごくっと水を飲むつくし。
看護師は直ぐにナースコールを押して、担当医師を呼んだ。

直ぐにそのことは類にも知らされた。会議など途中で抜け出し
類は病院へと急いだ。

つくしの記憶が・・・数か月飛んでしまっている事等知らなかった・・・。

「ご自分のお名前分かりますか?」

「牧野つくしです・・。」

「では、お仕事は何を?」

「出版会社で働いてます。明日香社という会社です。」

「・・・・そうですか、すみませんがあなたのご家族の名前とあなたの今の年齢分かりますか?」

「父、晴男 母、千恵子 弟 進 4人家族ですが別々に住んでいて、私は一人暮らしです。
私は29歳・・もうすぐ・・12月28日に30歳になります。」

「今は何月か分かりますか?」

「12月ですよね?」

「・・・・今は季節は春です。」

「春?何故?・・・・。」

「では、あなたが倒れた理由はお分かりですか?」

「会社で気分が悪くなって・・医務室で薬を貰ったけど…治らなくて・・・。」

「そこは明日香社でしたか?」

「だと思いますけど・・・。うーん分かりません。明日香社に・・医務室あったかな?」

「良く分かりました。あなたは3週間ほど意識不明でしたので記憶が曖昧なのはその為でしょう。
具合が悪くなったら教えてください。」

「分かりました・・。」

類は病室に入る前につくしの記憶が3か月ほど曖昧で今でも自分は29歳で
明日香社という出版会社に勤めていると言っている事も伝えられた。

「先生、では牧野は記憶が・・・。」

「一時的なものだとは思いますがもしかしたら、薬のせいかも知れません。
まだ・・分からないと言う方が正しいですね。」

「そうですか・・。では私は相手に合わせて話をすればいいのでしょうか?」

「ええ、今はそうしてください。」

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アラサーで何が悪い?95

あるマンションの一室

「どうする気なんだ?こんなところに閉じ込めて・・・。なあここから出してくれよ
僕が何をしたと言うんだ?」

「近藤、自分のした事を考えたら分るだろう?」

「・・・僕は何もしちゃいない・・・類様に付く悪い虫を退治しただけだ・・・。」

ガチャッ!

「社長お待ちしてました。」

「高橋、ご苦労だったね?それで誰が悪い虫だって?」

「・・・・社長?・・・ここから出してください。これ解いてくださいよ。」

「近藤・・お前自分が何をしたのかまだ分からないの?」

「社長は、牧野さんの事を言ってるんですか?あんな女の何処がいいんです?
目を覚ましてくださいよ。あんな女あなたに似合わない。」

「それが理由で牧野に変な薬を飲むように仕向けたの?
その上、牧野にやってもいない罪を被せようとした。」

「・・・それは・・知らなかったんです。本当に知らなかった・・・。
牧野さんに罪を被せようとは確かにしましたけど・・・。でもあんな女どうでもいいでしょう?
社長にはもっと相応しい人が・・・。」

「嘘を吐くな・・・。あの薬がまともじゃないと分かってたんだよな?牧野が死ねばいいと思ったのか?
俺の見合い相手予定だった女性を怪我させた通り魔という罪を被せて・・・。」

「・・・。ええ、そうです。確かに思いましたよ、牧野さんには恨みは無いけど・・・目障りでしたからね?
丁度背格好も似た人物が身近にいた、性別は男でしたが性転換を望んでいる麗奈というニューハーフ。
試しに牧野さんの恰好を麗奈に真似させたら驚くほどに
そっくりだったんですよ?僕にとってもあの社長のお見合い相手の3人は目障りで
邪魔な相手でしたから、一石二鳥とでも言うんでしょうか?
邪魔な者を目の前から消すには、一番の方法でしたよ?
犯人と被害者にする。誰も怪しまない・・・そう思ったのに・・。
どうしてあんな見栄えもしない女を・・・社長は気にするんです?
あなたならどんな美しい女でも手に入るでしょう?・・・あの藤堂静さんのような・・・。
そうだ、そういう女性が相手なら僕だってあなたを諦めたかも知れないのに・・・。
それとも、やはり社長も女に興味は無いのでしょうか?ずっと女と付き合いはされて居なかった。
高校時代のあの藤堂静さん以外は・・・浮いた話も一つも無かったのは・・・。
社長もやはり・・・男性を?そう言えばあなたの周りには道明寺司、西門総二郎、美作あきらという
麗しき友人たちがいるけど・・・その中にあなたが好きな方がいるのでは?」

「近藤、お前の妄想激しいね?俺が男が好き?
それも・・幼馴染みの司や総二郎にあきら・・。気持ち悪い事言うなよ。
それが理由なのか?そんな理由で牧野をあんな目に遭わせたと言うの?
静の事も調べたんだね?・・でも生憎だけど俺の愛している女は静ではなく
牧野だよ・・・。」

「どうかしてます・・社長はご自分の事をどう思っているんです?あなたと牧野さんが似合う相手だと?
あはははっ、そんな事を本気で?本気で思ってるんですか?」

「近藤には分からないだろうな?お前に牧野の良さを分かって貰わなくても
結構だよ。俺だけが分かっていれば良い事だから。
だが言っておく。牧野に二度と手出しは出来ない。」

「社長この男をどうしますか?」

「牧野と同じ苦しみを負わせる・・・。あの薬がどんなも物だったかを
近藤自身に知って貰ったらいい・・・」

「社長?僕をどうするつもりです?」

「牧野と同じようにしてあげる・・・。牧野があんたにされたように・・・。
でもお前を殺しはしないよ?どんな薬が効くのか実験台になって貰う・・。牧野の治療の為にね?」

「嫌だ・・そんなの嫌だ・・。」

「牧野は何も知らずにお前を信じて薬を飲んだんだ・・・。その罪をお前は自分で償え。」

近藤にはつくしと同じようにサプリという薬とハーブティーが与えられた。
だがその前に、近藤に薬を渡した中野麗奈、(本名中野健司)を警察に突き出した。
二人の女性を襲った連続通り魔の真犯人として・・・。

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アラサーで何が悪い?94

近藤の告白ー

小学校の頃から僕は虐められっ子だった。
他の子と馴染めなかったのは、皆がやってることが自分と合わなかったから。
何時の頃からか、僕は学校で一人浮いた存在だった。
中学になると虐めはさらに酷くなった。
僕は何処か他の人と違うと感じていつも息苦しかった。
東京都とはいえ、ここは東京の外れにあり区ではなく市であった。
都内の田舎・・・まだ自然も沢山の山も近くにあり畑や田んぼも残っていて、住民の考え方も保守的である。
父親の転勤で、引っ越す事になり僕は都内の一等地にある都営住宅に住み
近くの区立中学に転校して、そのまま近くの都立高校に進んだ。
自分の家の近くに、英徳というセレブが通う学校がありそれがとても羨ましくもあり
目障りでもあった。
毎朝高級車が、生徒を送迎している。その列はかなり目立ち朝の
この辺で有名な光景だった。よその学校の生徒も見学しに来ていた。
女子高生が多いのはF4という超かっこいい4人組がいるかららしい。
まるでアイドルを見に来るファンと同じである。朝と下校時間は女子高生が
スマホを持ち隠し撮りをしているが、警備員たちに追い払われている。
僕はそのF4の中に彼を見つけたのだ。衝撃的だった。
男性でこれ程綺麗な人がいるのかと・・心がドキドキとした。
そして一瞬で僕の心を奪ってしまった。
中学生の僕の憧れの人は僕より4つ年上だった。

F4の確かに他の3人も素晴らしく綺麗な顔立ちをしている。
特に道明寺司はまるで独裁者で王様のような近寄り難い人であった。
西門総二郎は女好きのドンファンみたいで、いつも違う女を連れていた。
美作あきらは、年上の人妻と付き合う熟女好きで高校生には見えない大人びた人だ。
だが僕の見つけた彼は他の3人とも違って、一人何を考えているか分からない雰囲気が
何とも言えず魅力的だった。・・僕は彼の崇拝者でもあり
熱烈なファンでもあり、ストーカーだった。
彼がお昼寝をこよなく愛することも、バイオリンが得意であることも勿論知っていた。
誕生日が3月30日で身長が182センチだという事も・・・。血液型がABである事も、
薄茶のサラサラした髪が綺麗で・・・綺麗なガラス玉のような瞳だという事も・・。

彼に近づきたくて、僕は猛勉強したが私立でも授業料の高い英徳大学には入れなかった。
親が悪いんだ・・・どうして僕を金持ちの息子にしてくれなかったんだろ?
国立大学を卒業した。そして花沢物産に就職をした。
希望は秘書課・・・どうしても彼の少しでも傍に居たかった。

僕が女ではなく男性に興味を持ち始めたのは中学時代より前だった・・・。
周りは女の子に興味を持つのに僕にはそれが一切無かった。
高校時代に思い切って新宿2丁目に行き、僕は自分の居場所を見つけた。
僕は男性の中でも男らしい人より少し中性的な人が好きだった。
だが捜したけど彼みたいな素敵な人はいなかった。
花沢類はそんな僕の好みそのものだったのだ。

入社して3年彼に彼には女性の影は一切無かった。それがとても嬉しかった・・・。
だがある日彼が美しい女性と食事に高級レストランに入ったのを目撃した。
自分もその店に入りたかったが予約をしていない僕は入れなかった。
仕方なく2人が出て来るのを外で待った。
モデル体型のその美しい人は彼にお似合いだった。
溜息が出る程お似合いの相手・・・。
出てきた二人の会話を聞いた。彼女にはどうやら夫と子供がいる。
では二人は不倫の関係なのか?
彼が「しずか」と呼んだ女性を僕は調べた・・・。
調べて直ぐに彼女の身元が分かった。

藤堂静、英徳幼稚舎から大学までエスカレーター式で卒業後
弁護士になる為に渡仏・・・。フランス人の弁護士の夫と子供がいる。
彼との関係は・・年上の幼馴染み一時付き合う事はあったようだが、彼の片思いで終わったようだ。
その後誰とも付き合っていない事を考えると、彼はいまだに彼女を忘れられないのかも知れないと思った・・。

だが、ある日忽然と現れた牧野つくしという女が僕を苛立たせた。
英徳学園の高等部に3年間通った女、大学は俺と同じで国立大を卒業
その後、明日香社という大手の出版会社に勤めている。
何処と言って取柄はなさそうな女だが仕事の手際は良かった。
華奢で160センチの身長に多分体重は45キロ前後、
目の大きな黒いストレートロングの女・・・。
彼とは1歳違いの30歳の彼氏も居ないアラサー女・・・。若くもない癖にムカつく。
いや、年の問題じゃない・・牧野つくしがあの藤堂静以上に美しい女なら
僕だって・・あきらめが付いたかも知れないのだ・・。
彼と並んでも・・・全然似合わないのに彼はこの女に何故か優しい。
それが僕の心を壊していく・・・。

何故僕じゃないのだろう?

あなたが少しでも優しくしてくれるなら・・・・。


僕は僕の全てをあなたに捧げるのに・・。

あなたの為なら・・・なんでもやるのに・・。

それが、罪を問われるどんな犯罪であろうと・・・。

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アラサーで何が悪い?93

類の怒りが爆発した・・・。
つくしが近藤から渡されたサプリもハーブティーもとんでもない代物だった。
予め、類の許可を得て、つくしの部屋を探して出てきた
サプリという薬とハーブティーを田村は直ぐに科学研究所で調べさせた。
詳しい成分がデーター化されたものとその実物を田村から言われて秘書の高橋が持ってきた。

T大学病院で薬物に詳しい教授が呼び出しを受けてその資料と実物を見る。

「これは・・今まで見た事がないな・・大体の薬物は調べてるし・・
その副作用がどんなものかは分かってるが・・。海外輸入品だろうか?」

「緒方教授では・・。牧野さんの症状はもしかして・・・。」

「なんとも言えないけど・・この入手先とくれた人に詳しく聞いた方がいいかもしれないな。
一応私も関係各所に聞いてはみるが・・・。白坂先生この2つ実験して調べたい、借りていいかな?」

「ええ、よろしくお願いします。」

「花沢さん、今聞いた通りです・・・それにしてもあなたの行動の速さには驚きましたよ。
いつの間にか、牧野さんのご両親の委任状を持ってくるんですから・・。
夫婦でもなく血の繋がりのある家族でない限り、牧野さんの詳しい病状や
危篤になっても一番には連絡は来ないですからね?
花沢さんにとって牧野さんはそれほど大切な方なんですよね?」

「すみません・・白坂先生に牧野の病状はあなたには家族で無いから教えられないと言われて・・。
まさか勝手に意識不明の相手と婚姻届け出す訳にもいかないでしょう?」

「まさかでも・・委任状とは・・参りました。確かに千葉にいるご両親よりは
あなたの方が直ぐに連絡が取れるのでこちらも迅速に治療に当たれますので助かりますが。
まあ、あなたに頼み込まれてルールを最初に破った手前、この委任状は私も助かります。」

「ええ、あの時連絡を病院から頂いたときは感謝しました・・。でも
これからもどうぞ宜しくお願いします。」

「はい、分かりました。看護師たちにもきちんと伝えておきましょう。
牧野さんの事は花沢さんに一番に連絡を入れるようにと・・。」

********************

まだ近藤の事が残っている。
近藤をどう処分するのか・・・。
類はつくしの姿をもう一度見てから病院をあとにした。

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アラサーで何が悪い?92

類の話の内容に、つくしの家族は驚きを隠せないが
それが本当につくしの為になるならと
類の申し出に頷き、ある書類にサインをした。

「父さんと母さんは、先に姉さんの担当医に話を聞いていてくれないかな?
母さん大丈夫だろう?ちゃんと姉さんの容態に付いて聞けるよね?
俺は花沢さんにもう少し話があるから・・・。後で行くから。」

「進、後でちゃんと来てね?母さん父さんと二人だと心細いわ。」

「あゝ・・分かってる。」

千恵子は晴男の手を引っ張りながら看護師に案内されて部屋へ入っていく。

「類さん・・・姉を本当にお願いしていいんですか?あなたなら・・もっと家柄の良いお嬢さんと
幾らでも良い条件で結婚できるのではないですか?
・・・あの道明寺さんみたいに・・・姉を・・いつか捨てたりしませんか?」

「進・・・。信じてくれないか俺の事を・・・。」

「勿論信じたいですよ・・・。あの道明寺さんの事も俺は信じてた・・・。
でも・・それは裏切られた・・。
姉は何も言いませんけど・・・。姉には苦労を掛け続けた俺達が言える事でも
無いですが・・姉を泣かせる奴を許せない・・・。姉には・・幸せになって貰いたいと思ってます。
俺・・姉を傷つけるような事を言ったんです・・。姉を泣かせてしまったと思います。
俺今度結婚が決まって・・・。相手の両親の手前・・姉が銀座のホステスなんて困ると・・。
姉は一人で親の借金をずっと返して来たのに・・・。俺を大学まで行かせてくれたのに・・・。
俺・・姉に残りの借金を全て渡して・・今までの姉の苦労を・・・水の泡にしてしまった。
・・・それでも姉は怒りもしなかった・・・。きっと心の中が悲しみで溢れていても
俺に幸せになれって・・・。本当に姉は・・苦労ばかりして幸せなんて味わえなかったんです・・。
一番女性が輝く時を・・・犠牲にしたんです・・。俺達の為に・・・。
だから・・姉を類さん・・・姉をどうか幸せにしてやってください。
お願いします・・どうかお願いします。」

「進・・・。牧野は俺にとって凄く大事な人なんだよ・・・。
今まで10年近く逢わなかったからこそ、その想いは深いんだ。
俺の両親に俺の結婚相手について色々言われたくなくて・・・。
頑張って来たんだ・・・。牧野をこの手に入れる為に・・。」

「信じていいんですよね?・・・道明寺さんの時のようには
なりませんよね?・・・・もしもそうなったら・・・俺類さんを・・憎むと思います。」

「進に憎まれたはない・・そういう事には絶対にならない自信はあるよ?」

「・・・すみません・・。安心しました。俺両親が心配なので・・ちょっと行ってきます。」

「そうだね・・・牧野の事後で教えて。」

「はい。」

先程サインして貰った紙を懐に入れて
類は田村に電話を掛けた・・・。

「田村?俺・・・悪かったね・・・それでそっちは・・・?
えっ・・・それで?・・・・分かったそれ直ぐ高橋に病院に持って来るように伝えて?
そいつの、処分は後で考える。そいつを俺は・・絶対に許さない。」

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