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beloved 226

C&A法律事務所

「所長、クロエ・モローさんがお見えです。」

「クロエ・モロー?そんな人と今日は約束があったかな?」

「お約束は無いそうですが、花沢の件だそうです・・。」

「花沢?・・・あゝあの女性か・・確か違約金は振込って請求書に
銀行口座を書いてた筈だが?」

「どういたしますか?」

「あゝ空いてる部屋に通してくれ・・。」

「はい、畏まりました。」

「クロエ・モローさん、わざわざご足労頂きまして・・今日はどの様なご用件でしょうか?」

「こんにちは、えっと・・」

「あゝここの所長の弁護士クロード・エローです。」

「あゝそうでしたわね、失礼致しました。」

俺の名前なんか覚えちゃいないだろうけど・・・

「それで今日は何か?」

「違約金を持って来ましたわ。」

「あゝそれは・・でも振り込みで宜しいと書いてありませんでしたか?」

「ええ、でも持って来た方が確実でしょう?明日が期限でしたから・・。
これ、お確かめください。」

ふふっ、あの時一目貴方を見た時から気に入ったのよ、あの時は私も不機嫌だったから
愛想良くは出来なかったけど。それに振込って手数料が高いじゃない?
持ってくればその分が浮くでしょう?此処までくる交通費を差し引いてもね?

「分かりました、アメリー、このお金を確認して銀行口座に振り込んでくれ
領収書も作成して?」

「はい、畏まりました。」

「今、珈琲でも淹れますからここでお待ちください。」

「ええ・・。素敵な事務所ですのね?」

「そうですか?まあ大きさは手頃だし、場所もいいから気に入っていますけどね?」

「ええ、本当に・・。ここは先生お一人で?」

「いいえ、相棒と二人です。それと他に7名ほどの弁護士と働いてます。」

「まあ、そうなのですね?」

クロエは今日は胸が開いたミニ丈の黒のワンピース、足を組んでいるので
クロエの美脚が露わになっている。

あれからクロエはこの弁護士事務所を調べていた。
所長の名前もちゃんと覚えていたが忘れた振りをしたのだ。
所長は32歳で独身だと知っている、両親は幼い頃に事故で居ない。
煩い家族が居ないのはクロエには好都合である。
付き合う上でも、煩く言う人間が居なければスムーズだ。
彼女も居ないという情報も確かなようだ・・。
クロードの相棒は男の弁護士でドナ・アンドレ35歳
こっちの男はクロエの趣味とは違ってがっしりしたラテン系
スポーツマンタイプの男だ。
まあ、普通よりは女にモテるだろうが・・・。
興味が無いので、だから彼については詳しくは調べなかった。

この事務所で事務員を募集している事もリサーチ済みである。
クロエは所長のクロードを自分の魅力で陥落させる自信はあるのだから
後は、堕とすだけである。

「お待たせしました、お金は確かに受け取りました、こちらは領収書です。」

「ええ・・ありがとう。」

ここで、クロエはまた足を組み替えた。目の前に座るクロードに
クロエのスカートの中が見えている筈だ。

これで堕ちない男は居ない・・・。

「では、本日はわざわざありがとうございました。」

えっ?それだけ?食事のお誘いは?まさか、恥ずかしがってるの?

「どうかなさいましたか?まだ何か?」

「えっ?いいえ・・ではお邪魔しました失礼します。」

にっこりと営業スマイルのクロードに出口まで見送られて
クロエは何も言えずに帰るしかなかった。

こんなバカな事ってある?私が男を堕とせないなんてあり得ない。

「所長、今の人・・凄くアピールしてましたよね?」

「んっ?アピールって誰に?」

「所長に決まってるじゃないですか?彼女スタイルも顔も綺麗だし・・
何歳か知らないけど・・ミニスカートで足組んだりして・・
所長を誘ってるのが見え見えでしたよ?」

「そう?僕は興味ないから分からなかった。」

「そりゃ、そうですよね?所長にはパートナーがいますものね?」

「アメリー、今俺を呼んだ?」

「ドナ、もうクライアントの話は終わったの?」

「あゝ・・クロードに美人のお客様だって?」

「あゝ例のほらシングルマザー。」

「あゝ彼女お金用意出来たの?」

「うん、きっちり今日わざわざ持って来たよ。」

「振込じゃなくて?」

「あゝ・・」

「ふーん、今度は俺のクロードが狙われたのかな?」

「馬鹿言ってんじゃないよ、ドナほら仕事して。」

「妬けちゃうな・・チュッ、愛してるよクロード・・。」

「もう、馬鹿。こんな処で・・・。んっ・・ドナ・・愛してる。」

相棒はパートナー・・・そうこの二人は同性愛カップルだった。
そんな事など、クロエは知らない。



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beloved 225

クロエのアパート

「いらっしゃい、アラン、お金用意してくれたのね?」

「あゝ・・でも言って置くけどお金の無心はこれっきりにしてくれ。
このお金も、クロエの事を心配してサリーが出してくれたんだ。」

「アラン、彼女に私の事を話したの?・・なんて言ったの?」

アランって本当にお喋りね・・こういう処が昔から嫌だった・・
何でも人の事を話すのよ・・きっと彼女に私の失態を話して同情させたって事?

「正直に言うしか無いだろう?君が仕事を辞めさせられて違約金を払う
事になったと・・サリーに嘘を言ってお金を出させるなんて出来ないからね?」

「・・・そのお金は、元々あなたのお金じゃないの?」

私との時は自分のお金の管理は私には任せなかったのに・・。それがサリーには
自分のお金まで任せてるのね・・悔しい。何故?

「サリーとは夫婦なんだ、何も理由を言わずに800ユーロなんて
俺達には大金なんだから貰える筈ないだろう?」

「私達が夫婦の時にはそんな言葉聞かなかったわね?」

まるで私とは夫婦じゃないみたいな言い方よね?本当に頭に来るわ。

「君はサリーとは違う・・サリーは君みたいに自分勝手で我儘じゃないからね?」

サリーとは違うですって・・ふん、自分勝手で我儘ですって?

「元妻に現妻の自慢?ふふっ、分かったわもういいからお金を置いたら帰って。」

「クロエ、仕事はどうするんだ?」

「仕事?ちゃんと探してるわよ?なかなか前みたいな良い処は見つからないけど。」

「そんなに良かったなら欲を出さずに真面目にやれば良かったのに・・。」

「はあ?大きなお世話よ・・ちょっとした行き違いで相手は私をまだ好きなのは
分かっているの・・奥さんが悪いのよ、あんなちんくしゃ・・。」

「はあ・・クロエ頼むからそんな強がり言うのは止めろよ・・
良かったら俺も仕事を探そうか?」

「ふーん、私がまたお金の無心をしてくるのが困るから?
彼女にそう言われたの?」

「違うよ、俺はエレナの事だって心配なんだ。」

「エレナの事がそんなに心配なら、自分に新しい子が出来るからって
養育費の減額を言って来たりするのかしらね?」

「・・・。」

「私忙しいのよ、もう帰ってくれる?」

「あゝ帰るよ。」

クロエはやはり・・こういう女なんだ‥サリーとは全く違って
自分勝手な女・・サリーにはああ言われたけどこれ以上は関わりたくない。

アラン・・自分が幸せだって自慢がしたいの?
私よりサリーの方が妻として女として上だと言いたいの?
私の仕事を探すですって、それは憐れみ?冗談じゃないわ・・
私にだってプライドはあるのよ?
でもどうせなら、850ユーロ全部出して貰ったら良かったかしら?
全部は悪いと思って遠慮して自分のお金から50ユーロは出そうと思ったのよね?
はあっー失敗したわね、どうせなら1000ユーロって言えば良かったかしら?
今更遅いけど・・。言えば払ってくれたわよね?
なんて馬鹿なんだろう?


絶対に幸せになってみせる・・今度こそ失敗はしないわ。
私は、まだまだこんなに綺麗なんだもの・・。




beloved 224

アランとサリーの家

「アラン、どうかしたの?難しい顔して何か悩み事?」

「サリー・・800ユーロって出せるかな?」

「800ユーロ?何に使うお金?」

「‥クロエが仕事を辞めたんだ・・いや、辞めさせられたみたいなんだ。
それで、彼女にお金を貸して欲しいって言われたんだ。」

「辞めさせられたって?何か問題でも?」

「彼女、日本人の金持ちの家で家庭教師してたろう?
クロエはその仕事を辞めさせられたみたい。」

「何故?何かあったの?」

「クロエは詳しい話をしたがらないけど、多分、彼の奥さんに
訴えられたんじゃないかと思うんだ・・。」

「その日本人のお金持ちの彼って奥様が居たの?
その人のお嬢さんの家庭教師をやってたんでしょう?
確かクロエはその彼と結婚するって言って無かった?」

「あゝ娘のエレナが言ってたけど子供の言う事だから・・きっとクロエの
願望だったんじゃないかなと思うんだ?彼女、自分自身を全く分かって無いからね?
確かに綺麗なのは認めるが性格は最悪だしね?」

「奥様が居る人に横恋慕して、仕事を辞めさせられたの?」

「あゝあの様子だと相手はクロエにその気が全く無かったのかも知れないね?」

「そう・・大変ね。わかったわ・・800ユーロ用意しておくから
彼女に渡してあげて?あなたの娘のエレナがそんなんじゃ可哀想。
でも・・うちもそんなに貯金がある訳でも無いの・・。子供も生まれるし・・
今回だけにして貰えると‥助かるわ。」

「ありがとう、サリー。君には感謝してるよ。
君が優しい人で本当に良かったよ・・クロエと別れて君を選んだのは正解だった。」

「アラン、私は嬉しいけど、クロエに今の言葉は絶対に言っては駄目よ?
彼女を怒らすと困るわ、アランとは別れたんだからもう自立して貰わないとね?
それに私達も親になるんだから彼女に今後は養育費以外の
お金を払うのは、悪いけど止めて欲しいの?」

「あゝ分かってるさ。今後はお金は貸さないから・・。」

「でも、エレナの事は別よ?あなたの娘なんですもの・・
困った事があればいつでも助けてあげてね?」

「サリー君はなんて優しいんだ・・愛してるよサリー。」

「ねぇ、クロエの仕事を何か、紹介してあげたら?
このまま彼女も生活があるから無職って訳にもいかないでしょう?」

「あゝでも彼女は難しい人だからな・・俺の探して来た仕事なんか
気に入るかどうか?」

「そう?でも生活出来ないとまた・・お金の無心に来るんじゃない?」

「そうだな・・考えてみるよ。」

「私が紹介してもいいけど、それじゃ彼女は嫌でしょう?」

「サリーがクロエに仕事を?」

「私、色々顔が利くから・・彼女次第だけど?」

「ありがとう、そんな事にまで気遣って貰って・・今は君の方が
大事な時なのにすまない・・。でもクロエはあゝいう性格だから
就職を紹介して、サリー君に迷惑を掛ける事があるかも知れないから・・。
気持ちだけ貰って置くよ・・・。」

「そう?良いのよ、アランの為ですもの。」

アランはサリーが出してくれた800ユーロをクロエに逢って渡す事にした。

その日クロエのアパートに寄ったアラン。

娘のエレナは、友達の家に行って居て留守だった。


beloved 223

「リンゴーン・リンゴーン」

「はい、どちら様?」

「カトリーヌ私よつくし・・」

「まあ、ツクシどうしたの?今開けるわね?」

「はあ、はあ・・カトリーヌ。」

「まあ、そんなに慌ててどうしたの?」

「だって・・だって私凄く嬉しくて。」

「何があったの?さあ、中に入って頂戴・・あら、シオンは?」

「あっ‥忘れて来ちゃった・・。」

「忘れたって?」

「お邸に置いて来ちゃった。」

「まあ・・ふふっ・・それでツクシはどうしてそんなに慌ててるの?」

「カトリーヌ、友達が‥私・・学校で友達が出来たの・・それも一気に3人も。」

「まあ、素敵な事じゃない・・。」

「ええ、嬉しくて・・一番にカトリーヌに知らせたくて・・だって
フランス語を教えてくれたカトリーヌのお陰なんですもの。」

「そう?ありがとう・・それでお友達の名前は何と言うの?」

「スージとエネとシモーヌ・・。」

「同じ年なの?」

「学年は同じだけど・・年はスージとエネは1つ下シモーヌは同じよ。」

「そう、良かったわね?」

「ええ、今度一緒に映画に行くことになったの。
お友達と映画に行くなんて久しぶりで嬉しくて・・・。
それに3人共音楽・・楽器をやってて・・趣味も合うの。」

「楽器を?そういえば・・ルイはバイオリンでツクシはピアノを弾くんだったわね?」

「ええ、最近ずっとご無沙汰で‥弾いて無いけどまた練習を始めようかと
思って・・スージはフルートをエネはチェロをシモーヌは
バイオリンを弾くの・・今度4重奏しようって・・誘われたの。」

「まあ、良かったじゃない?ツクシ嬉しかったのね?
ふふっ、でもそれで邸にシオンを置いて来ちゃったのね?」

「ええ、凄く嬉しくて・・あゝどうしよう?」

「電話を掛けて見たら?お邸の人が連れて来てくれるんじゃない?」

「あっそうね・・電話してみます。」

邸に電話をして、しおんをはな枝さんにお願いして連れて来て貰える事になり

15分後またチャイムが鳴る。

「リンゴーン・リンゴーン」

「はい、どちら様」

「こんにちは、しおんです。」

「カトリーヌ私が玄関を開けて来るわ。」

「そう?じゃあお願い。」

「しおん、ごめんね?」

「ママったら・・はい、忘れ物。」

「あゝははっ・・これも忘れちゃったのね?」

「はなえさんが持たせてくれたの・・はなえさんは帰ったわ。」

「そう、後でお礼を言わないとね?」

「シオン、いらっしゃい。どうぞ中に入って。」

「はい、おじゃまします。」

「まあ、美味しそうなフレーズね。」

「ええ・・ご近所の奥様に頂いたのでお裾分けです。」

「良い香ね?」

「ええ・・」

「フレーズタルトでも焼きましょうかね?」

「美味しそう。」

カトリーヌさんの焼いてくれたフレーズタルトはお店で食べるより美味しかった。

beloved 222

クロエのアパート

「アラン、今月お金が足りないの・・少し上乗せして貰えないかしら?」

「クロエ・・悪いけどこの間話した通りでさ・・サリーに子供が出来た事は話しただろう?」

「ええ・・分かってるわ。でも、うちだって大変なのよ。私も仕事を辞めさせられて
今‥仕事は探しているけど・・中々見つからないし。エレナが可哀想でしょう?
あなたの娘なのよ?サリーの子供はまだ生まれてないんだもの
お金は掛からないじゃない?」

「まだ、生まれてなくても赤ちゃんの用品だって少しづつ揃えなきゃ
ならないんだ・・君だって経験者だから分かるだろう?
それに、サリーは悪阻が酷くてね?仕事も休みがちなんだ・・。」

「それはあなたの事情でしょう?アラン貯金位はあるでしょう?
800ユーロ必要なの‥貸してくれない?」

「800ユーロだって?ちょっと待ってくれ・・そんなお金を何に使うんだ?
エレナにそんな金が必要なのか?」

「えっ・・まあ色々必要なの。」

「悪いが・・サリーに家の全てのお金の管理を頼んでいるんだ。」

「何ですって?私の時には任せてくれなかった癖に。」

「彼女は経理やってるから、安心なんだよ。財テクも上手だしね?」

「ふん、兎に角幾らでもいいわ。お金を貸して頂戴。
直ぐに必要なのよ、無いと私捕まるかも知れないけどいいの?」

「捕まる?クロエ・・一体君は何をしたんだ?」

「いい就職先が本当は最低の就職先だっただけ・・
違約金払えって言われているのよ・・エレナを悲しませたくは無いの。」

「就職先って・・あのイケメンの日本人の邸の家庭教師の仕事だろう?
どういう事?何があったんだ?」

「兎に角私が・・契約書に反する事が原因で・・。」

「まさかとは思うけど‥その人既婚者だったの?」

「・・そうよ、それが?」

「相手の奥さんに訴えられたのか?」

「違うわよ、あくまでも私の仕事内容が問題だって言われたのよ・・。
ねぇ、アラン私のフランス語って訛りが強いと思う?」

「えっ?確かにクロエは・・早口で捲し立てるとどうしても訛りが出て
俺も何を言っているのか分からない事が何度もあったよ。」

「なんで教えてくれないのよ。」

「教えたら素直に聞いた?・・多分君には無理だろう?
喧嘩になるのが嫌だから・・俺は黙ってたよ?」

「酷い人ね?」

「俺が?俺は随分我慢して来たと想うんだけどね?
まあお金のことはサリーと相談してみるけど、あまり期待はしないでくれ。
じゃあ、電話切るよ?」

「ええ・・。」

やっぱり、私のフランス語は訛りが強いのね・・。

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