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beloved 166

類は花沢物産東京本社のビル前に立っていた。
田村に電話して父親のアポは取ってある。
55階建ての聳え立つビルの社長室のある階を見ていた。

昨日、つくしが出産したと連絡を受けた類の父の匠は
病院に来ていた、田村に連れられて類が分娩室に入った後
田村は匠に気付き、類の報告をした。

「そうか・・類の記憶が・・まだ完全ではないのか?」

「はい・・ですが大丈夫でございます。きっと‥直ぐに記憶は戻られるでしょう。」

「戻らない方が、私には都合がいいのだが・・。」

その時匠の身体が少し揺れた。

「社長、大丈夫でございますか?」

「あゝ心配ない・・少し睡眠不足なだけだ・・。」

「医者に診て頂きましょう?今連絡してきます。」

「いや、いい・・田村・・その必要は無い。」

暫くして分娩室から産声が聞こえ、類とはな枝が出て来たら
匠は秘書と一緒にその場を去った。

類は覚悟を決めて、社長室へと向かった。

受付では類が現れた事で、騒然となる。
背が高く、スーツ姿ではないが目立つ。
受付の報告で直ぐに秘書が、社長室の階のエレベーター前で待機している。

「類様、いらっしゃいませ。」

「父さんは?」

「お部屋でお待ちでございます。」

「そう・・。」

コンコン
「失礼致します、類様がいらっしゃいました。」

「あゝ・・中に通してくれ・・高野・・暫く誰も部屋には入れないでくれ・・
お茶も要らない。」

「畏まりました。」

秘書が部屋を出て行き、椅子に座った匠が類にソファーに座る様に言う。

一瞬類は戸惑った・・。父親の顔色が悪い‥それに何故か凄く小さく見えたのだ
子供の頃から自分の父親は大きな存在だった。背だって自分と変わらない高身長の
筈だが‥目の前の父親は何故か自分よりも小さく見えた。

「どうした?ここに来たのはこれからのお前の生き方を告げる為じゃないのか?」

「…父さん俺は、つくしと産まれた子供と生きていきたい。」

「あゝ・・それで?」

「・・花沢物産は継がない・・音楽で‥バイオリンで生計を立てる。」

「・・・。」

「聞いてるの?」

「あゝ・・だが今のお前につくしさんと子供を守れるとは思えない・・・。
お前達はクルーズ家に世話になるのか?」

「そんな事はしない・・。」

「花沢を出て・・お金があるのか?何をして暮らす?まだお前もつくしさんも学生の身分・・
つくしさんだって大学に通うんだろう?そのお金は誰が出すんだ?
可愛い娘の為だ・・それはクルーズ会長が出すんだろうが類はそれでいいのか?」

「・・・・。」

「答えられなくてどうするんだ?子供は待ってはくれないどんどん成長していくんだ。
子供を育てるにも金は必要だろう?」

言い返す言葉が見つからない・・色々我儘してきても結局親の庇護の元で
自由に生きて来たんだと思い知らされる。
結局今自分が生活出来ているのも、自由にバイオリンを弾けるのも
父親のお陰なのだ・・。

「類・・まだまだ甘いな・・。」

そう言った匠が椅子から立ち上がった時だった。

ゆっくりと身体が傾きそして・・そのまま前に倒れ込んだ。

「父さん・・。どうしたの?誰か‥誰か・・」

直ぐに控えてた、秘書の高野が来て倒れた社長のバイタルを見ている。
花沢の第一秘書の高野は看護師資格のスキルがある。

「類様、社長を地下駐車場にお運びします・・手伝って頂けますか?
社長が倒れたと・・他の役員に知られる訳には絶対にいきません・・
出来れば内密に・・社長専用のエレベーターで極秘運び
車で病院に連れて行きます。」

「分かった手伝うよ。」

秘書と一緒に父親の両脇を抱えた、だが意識が無い父親を運ぶのは
無理だ。

「悪いけど、父さんを俺が背負うから手伝って。」

「はい・・。」

背負った父親の軽さに驚いた思った以上に軽い。

「大丈夫ですか?」

「‥あゝ先導して?」

「は・・はい。」
そして秘書高野の誘導で
どうにか誰にも見られずに匠をエレベータに乗せた。
降りて直ぐに運転手とSP達が車まで運んでくれた。
類は勿論、匠の傍で病院まで付いて行く事になった。
連れて来られた病院はつくしが入院してる同じ病院だった。



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