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beloved 197

私達は何を間違えたのだろうか?

私は高校生なのに、しおんを産んだ・・。
世間ではそれは冷たい目でみられるような事だと知った。
だから、しおんが恥ずかしくないように馬鹿にされないように
語学も身に着けて、花沢物産で経営者の跡取りとなる
類の隣で堂々と笑って居られるよにと今まで努力して来た。

日本から知り合いも居ないフランスに来るのは
勇気も必要だった。慣れないフランス語にこんなに苦労するとは・・。
フランス語での授業は日常会話でもどうにか聞き取れる程度の私だったから
早口で喋られると何も理解できない。

類は私としおんの幸せだけをいつも願っていると思って居た。
私としおんの苛々とか、大きく圧し掛かっているストレスとか
それら全部を吹き飛ばしてくれる。
類の沢山の愛情で私達を守ってくれると信じてた。
類のその愛情の矛先が何故か
私としおんじゃ無くなった。
いつの間にかクロエとエレナ向けられる・・類の温かな眼差しに
私は耐えられなくなった。

クロエはいつもしおんとエレナを二人並べてフランス語で話す。
言葉を覚えるには生のフランス語を聞き取れた方がいいと言うのだ。
クロエの言ってる事がエレナには当然分かっている。
でもしおんは分からないから、最初はしおんはどうしていいか分からなかったようだ。
それでも、しおんは人の意地悪な面など知らないから一人耐えていたのだと思う。

私もしおんに教えたくても、クロエの早口なフランス語は聞き取れない。
困ったしおんはエレナに尋ねる。
エレナは白を黒と言うような子供だった。
そう、平気で嘘を教えてしおんが怒られるのを楽しそうに素知らぬ顔で眺めている。
クロエもエレナが嘘を教えてる事など分かって居ながら、しおんに厳しく当たる。
何故子供相手に、そんな教え方するのか分からない。
そんな場面を何度か見た私は、クロエと対峙した。
でも、クロエの言葉は理解できない事が多いから
勉強の為にボイスレコーダーを
いつも持ち歩いて居たから、クロエの話した事全てを内緒で録音して
翌日、大学で友達になった子に、きちんと訳して貰おうと考えていた。

「クロエ、これは教えてるのではなく虐めじゃないの?
しおんにはもう少しゆっくり言葉を教えてあげて欲しいの。
しおんはエレナとは違ってフランス語に慣れていないの。」

「つくし、あなたの喋るフランス語は下手過ぎて
あなたが何を言いたいのか分からないわ。
私はルイからの要請でここに来たのだから、あなたに指図される謂われはない。
困った人ね・・。いつも傍にいる母親が駄目だからしおんがフランス語を上達しないのよ。
あなたが、ルイのような素晴らしい人の奥さんだなんて・・驚きよ。
フランスでも花沢は有名よ?その大きな会社の奥さんがこれ程度の人なんて
本当に呆れちゃうわ。あなた恥ずかしくは無いの?あなたなんか全然ルイに相応しくないのよ。
厳しくしないと、しおんは甘えて育ってるから全然駄目なのよね?
しおんが可愛いなら、口出しなんかしないで私に任せておけばいいのよ。
しおんにはフランス語を必ずマスターさせてあげるわ。
だって、ルイとそういう約束ですものね?
ねぇ、つくしよりしおんも私が母親の方がいいんじゃない?ふふふっ・・・。」

いつも以上の早口で捲し立てるから、クロエが何を言ってるのか所々しか分からなくて、
録音したものを翌日友達に訳して貰って全て意味が分かった。
私は友達から聞きながら、我慢できずに泣いた。
友達が言うには、フランスでは強い女性が多くてシングルマザーや籍を入れない
事実婚も多いと言う事を聞いた。



私もしおんも・・このフランスで言葉が分からなくて
とても苦しいの・・息が出来ない程なのに・・。
どうして?私としおんを守って励まして・・いつも傍にいてくれないの?
そんなにクロエとエレナ親子が大事なの?
類・・・あなたの気持ちが見えない。

確かに最近の私は余裕なく毎日が勉強としおんの世話ばかりで
類のお世話もはな枝さんに任せる事が多くて
妻としての役目が全然出来ていなかった。
家庭教師を付けた事で楽になると思ってたのに・・・。
そうはならなかった。
いつしか、邸のシェフ任せで食事も作らなくなってた。
必死だったのよ?クロエは家庭教師として
花沢に来ているのか類を目当てで来ているのか分からないし・・。
しおんもそんなクロエ親子には懐かないから
当然言葉も‥全然覚えない。それどころか意地悪なクロエを嫌って
傍に寄り付こうともしないの・・・。

類はその事に気付いてた?
家庭教師なのに・・意味が無い・・それでもエレナとしおんがお友達に
なれるならそれでも良かった。

だけど、エレナもクロエと同じでしおんに対して凄く冷たいの。
鼻にも引っ掛けない態度なのよ?それだけじゃなくて・・意地悪を平気でするの。
類は知らないわよね?あの二人に逢うのは決まって夕食の途中か終わってからだもの・・。
その時は、勉強をしている時とは全然違って・・・
クロエとエレナは笑顔で類に話しかけるんですもの。

この事は、私が妬いてるとか僻みではないと思うし
ましてや、私の勘違いでもなんでも無いとはっきり言えるわ。
クロエとエレナはあなたが好きで花沢に来てるだけ、
しおんにフランス語を真剣に教えようなんて思って居ないのよ・・・。
それでも、類がそれでいいのなら仕方ないわ。
だってここは、類の邸だものね。


もう、私としおんはフランスの花沢の邸では暮らせないわ。
だって・・私達家族とは言えなくなってるんですものね?

これからの事、ゆっくり考えるわ。私の答えが出るまで・・
類には逢えない・・・。


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